シスメックスと産総研、世界初となる糖鎖マーカーを用いた肝線維化検査技術の実用化に成功

シスメックスは産業技術総合研究所 糖鎖医工学研究センターと共同で、NEDOプロジェクトの成果をもとに、肝線維化の進行度を糖鎖マーカーを用いて血液検査により判定する試薬を開発。2013年12月10日に薬事承認(製造販売承認)を得た。

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これは、肝線維化の進行と相関性が高いレクチンを用いて、変化した糖鎖構造 Mac-2 binding protein糖鎖修飾異性体(M2BPGi)を捉え、化学発光酵素免疫反応によりM2BPGi量に応じた発光強度を検出する検査技術であり、肝臓の線維化の進行の度合いが数値でわかる。このような検査技術は、これまでのタンパク質ベースでの検査では実現できなかった、線維化病態におけるM2BPGi表面上の質的な変化(糖鎖構造変化)を捉えることが可能となる点で、より有用性の高い検査と考えられる。

この試薬により進行することで肝臓がんの原因となる恐れがある慢性肝炎・肝硬変へ至る、ウイルス性肝炎に起因する疾病(肝線維化)の進行を、医療機関の臨床検査室などで、従来技術よりも短時間に測定することが可能となる。なお、糖鎖マーカーを用いた肝臓の線維化検査技術の実用化は、世界初となる。

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