2019年のOLEDディスプレイ世界市場,2兆6,843億円に

 

富士キメラ総研は,6月から11月にかけて,世界市場を対象にディスプレイとタッチパネルからアプリケーション(応用製品),さらに関連部品材料市場まで網羅する調査を実施,その結果を報告書「2013 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望 Vol. 1,2,3」にまとめた。

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それによると,2012年のディスプレイ市場は9兆6,425億円。スマートフォン,タブレット以外のアプリケーションは横ばいもしくは数量減となり,全体の伸びは緩やかとなった。2013年以降もノートPC,PCモニター向け市場は縮小が続くと予測される。

■LCD:2013年の市場は前年比19.3%増の10兆3,973億円と見込まれる。13年はノートPC,PCモニター用ディスプレイなどのIT系ディスプレイの減少が加速しており,各社はタブレット用ディスプレイの生産に切り替えるなどの対応を進めて堅調に推移する。TV向けは50インチ以上の大型向けに移行し,中国で販売が比較的好調に推移しているが,13年第3四半期以降ブレーキがかかる可能性もある。

■OLED(有機EL):2013年の市場は前年比68.7%増の1兆271億円と見込まれる。Samsung Displayの生産能力増強,Samsung El.のスマートフォンへのAMOLED搭載とSamsungグループが市場拡大をけん引している。それ以外にも,Nokia,Motorola,中国メーカなどもAMOLED採用が増加すると予測される。また13年は大型サイズのTV向け出荷も少量ながらスタートしており,今後の市場拡大が期待される。

■PDP:2013年の市場は前年比17.8%減の1,915億円と見込まれる。大型LCDの低価格化が進み,TV用途,サイネージモニター用途でのPDP優位性は低下した。13年も大幅な減少となる見込み。

ディスプレイ関連部材(主要40製品)の調査での年平均成長率1位の部材は,フレキシブルAMOLED市場の成長からフレキシブル基材と予測。LCD関連分野では,TVの低コスト化を図る直下型バックライトの拡散板が最も高成長を期待されている。OLED関連分野では封止用シール剤が最上位となった。OLED-TVやフレキシブルディスプレイで全面封止が採用されて使用量が拡大すると期待される。

好調なスマートフォン,タブレットの出荷を背景にタッチパネル/関連部材の需要拡大が続いている。また,タッチパネルはWindows8の登場でノートPCやPCモニターへの搭載を加速しており,10インチ以上の大型の需要が高まっている。タッチパネルでは「薄型化」「軽量化」,加えて大型タッチパネルの「操作性向上」のニーズが高まっており,これらに応じる製品開発が活況を呈している。

スマートフォン,タブレット用タッチパネルは,従来の「ガラスセンサ」から「イン/オンセル」「カバー一体型(OGS)」へのシフトが続く一方,ミドルレンジ以下は「フィルムセンサ」に注目が集まっている。また13年はITO代替材料としてメタルメッシュやAg(銀)ナノワイヤ技術が実用化され始めた。大型タッチパネルの操作性向上の技術として今後が期待される。

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