スパイバーと小島プレス工業,人工クモ糸素材の量産技術の確立へ

スパイバーと小島プレス工業はNEDOの事業の支援を受け,脱石油の次世代素材として注目を集める,クモの糸の主成分(フィブロイン)をベースとするバイオ素材「QMONOS®」の量産技術確立に向けた試作研究設備を完成,稼働を開始した。設計,生産,評価までを一貫して行なえる世界で唯一の試作研究設備で,月産100kgのQMONOS生産能力を有し,これまでの研究成果を実際の量産プロセスの中で実証する。

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QMONOSとは,フィブロイン由来のタンパク質をベースとした次世代バイオ素材。繊維,フィルム,ゲル,スポンジ,パウダー,ナノファイバと様々な形態に加工することが可能。鉄鋼以上に強靱で,ナイロン以上の柔軟さを兼ね備えることもできる。衣類のみならず,工業製品から人工心臓まで,様々な分野での活用が期待されている。

QMONOSをはじめとするクモ糸素材は,石油に頼らない次世代素材として,世界規模で研究が行なわれているが,コストや培養速度などの課題から実際の量産化には至っていない。

スパイバーと小島プレス工業は,この設備においてフィブロインの構造タンパク質の分子設計から,微生物を用いたタンパク質原料生産,繊維化・樹脂複合化,部品や製品の試作評価,そして評価結果の分子設計へのフィードバックを一貫して行なうことで,QMONOSのさらなる量産と,安定した供給を目指す。

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