原研、森林土壌に沈着した放射性セシウムの動的挙動を解明

日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究部門環境動態研究グループ任期付研究員の中西貴宏氏らは、茨城県北部の褐色森林土の落葉広葉樹林において、2011年5月から2年以上に及ぶ継続した観測により、東京電力福島第一原子力発電所事故に由来する放射性セシウムの落葉層から土壌への移動メカニズム、移動量及びそれらの時間変化をはじめて明らかにした。福島県山間部の約7割を占める褐色森林土における放射性セシウムの移動の実態解明、将来予測につながることが期待される。

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2011年3月の福島第一原発事故により大気中に放出された放射性セシウムは、調査を行った落葉広葉樹林の土壌表面を覆う落葉層に沈着した。落葉層に沈着した放射性セシウムは、大部分が事故後数カ月以内の降水量が多い時期に雨水によって土壌に浸透し、それ以降は1年の周期的な気温の変化に依存した落葉落枝の分解速度の変動に応じ、徐々に土壌に供給されることが明らかになった。

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