明大と自治医大、効率的な方法で、短期間に免疫のないブタを作ることに成功

科学技術振興機構(JST)課題達成型基礎研究の一環として、明治大学と自治医科大学の共同研究チームは、人工酵素と体細胞核移植を組み合わせた効率的な方法により、短期間(6か月)で免疫のない(免疫不全)ブタの作出に成功した。

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ジンクフィンガーヌクレアーゼは最近発明された人工酵素で、全く新しい遺伝子編集ツール。研究グループは、ジンクフィンガーヌクレアーゼの発現にDNAではなくmRNAを用い、さらに体細胞核移植技術を組み合わせることにより、目的以外の遺伝子機能を傷つけるリスクなく、短期間に免疫不全ブタを作ることに成功した。

この新手法により、今後ヒトの疾患を模倣した医学研究用ブタの作出を大きく加速できる。作製された免疫不全ブタは、ヒトSCID様の病態を示したことから、ヒト免疫不全症の忠実な疾患モデルとして、その治療法の研究に大きく貢献することが期待される。また、ヒトの幹細胞やがんなどの各種評価は免疫のないマウスを用いて行なわれていたが、今後はブタで可能になり、ヒトをより忠実に反映する知見が得られ、新しい幹細胞治療法やがん治療法の評価・開発につながることが期待される。

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