理研など、植物病害応答の新規制御メカニズムを発見

理化学研究所、英国ダンディー大学、オーストラリアCSIRO研究所らの共同研究グループは、実験モデル植物のシロイヌナズナと独自に開発したマイクロアレイを用いて、植物病害応答の新規制御メカニズムを発見した。

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植物は病原体に感染すると数千の病害応答遺伝子群を発現させて耐病性を発揮する。しかし、そのメカニズムの詳細は未だよく分かっていない。共同研究グループは、シロイヌナズナとマイクロアレイを用いて病原体認識時に発現する遺伝子を詳細に調べた。

その結果、病害応答転写因子として知られるERF4遺伝子を転写したmRNAが代替ポリアデニル化を受け、代替スプライシングを起こすことを突き止めた。さらに、これによってERF4タンパク質のEARモチーフと呼ばれる転写抑制領域が欠失し、病害応答遺伝子群が発現することが分かった。また、この代替ポリアデニル化が開花期の調節に関わるFPAタンパク質によって制御されることも分かった。

今回の成果により、持続的で環境にやさしい新たな耐病性植物を開発する道が開かれた。また、植物は病原体に感染すると開花時期が早まってしまう現象が見られるが、開花期の調節に関わるFPA遺伝子のゲノム編集などによる改変によって、そのコントロールが可能になると期待できる。

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