浜松ホトニクス,管電圧300kVで分解能4μmの高解像度を実現した微小焦点X線源を開発

浜松ホトニクスは,開放型X線源として,管電圧300kVで分解能4μmの高解像度を実現したX線非破壊検査用途における微小焦点X線源「300kVマイクロフォーカスX線源」を開発した。各種部品の欠陥検査などの用途に向け,国内外のX線検査装置メーカや部品メーカなどに来年夏頃の発売を予定している。

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開放型X線源は,真空ポンプでX線管球を真空に維持する方式で,電子源のフィラメントから発生した熱電子を電磁コイルで収束し,金属ターゲットに衝突させてX線を発生させるもの。主に工業用X線CTシステムのX線源として用いられ,透視やCT撮影によって,電子基板や部品,機械,鋳物部品などの内部構造,欠陥などを検出する。

この開発品は,高出力開放型X線源で困難とされていた高圧電源一体型で管電圧300kV を実現したことで,高圧ケーブルのメンテナンスが不要となる。さらに,高電圧でも高出力安定化動作を実現し,検査スピードの高速化や大型部品の微小欠陥の検出にも有用。特に,分解能4μmの高解像度,安定したX線量,焦点移動が少ないことが必要条件とされるCT撮影で鮮明な拡大画像を可能にする。

また,消耗品の交換が容易で,電子ビームを所望の位置に移動する電子ビームアライメント機能,慣らし運転のためのウォーミングアップ機能が自動化され操作性に優れている。さらに外部制御機能としてRS-232Cインタフェースを標準装備している。

この開発品により,従来から管電圧が低いX線源が用いられているスマートフォン,タブレット端末などの小型電子部品の検査に加え,自動車用のアルミ鋳物や鉄部品,航空機関連の大型機械部品ほか,大型電子部品などの内部構造や巣,クラックの非破壊検査精度が向上する。

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