フィリップス,前立腺がん診療に新技術を導入したMRIガイド下前立腺生検システムを発売

フィリップス エレクトロニクス ジャパンは,11月1日より,前立腺がんの生検をMRI装置のガイドのもと行う新システム「DynaCAD」の販売を開始する。販売価格は4000万円~。MRI装置で観察しながら前立腺の生検を行うシステムは従来日本には無く,日本初のシステムとなる。

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前立腺を調べるには,肛門から指を挿入して触れる検査(直腸診)を行ない,前立腺がんの疑いが強い場合には,超音波検査やMRI検査を行なうが,診断を確定するために,超音波ガイド(超音波診断装置の画像を見ながら病変部の位置を見極めること)で前立腺に針を刺して疑わしい組織をとり,染色してがん細胞を調べる検査が行なわれる。フィリップスが今回発表する「DynaCAD」は,この従来の生検方法を行なっても,がん細胞が検出されなかった場合に行なう再生検において有効な,日本初の前立腺生検システム。

「DynaCAD」を用いたMRIガイド下(MRI画像を見ながら病変部の位置を見極めること)生検では,高コントラストで撮像したMRI画像でリアルタイムにバイオプシーシミュレーション(病変までの距離,角度など)を行ない,病変部を的確に捉えることができる。手法を実現するため,さらにフィリップスではMRI対応(非磁性体)の針を独自に開発し,強い磁気を発生しているMRI装置内での歪を軽減し,病変部に針が到達している様子の画像化にも成功した。この新技術により,従来法生検で検出が難しかった部位の前立腺がんを採取・診断することが可能となる。

日本で初となるこの画期的な新生検手法の臨床的効果を立証するため,「DynaCAD」は今年の7月より熊本中央病院にて臨床評価を開始。期待を上回る臨床結果を得ている。

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