ギガフォトンと三菱電機,EUV露光用光源向けドライバCO2レーザを開発

ギガフォトンと三菱電機は,EUV露光用光源(以下EUV光源)向けのドライバCO2レーザを共同開発した。また,開発中のEUV光源においても,平均15Wの出力を達成した。

今回のEUV光15Wの出力は,ギガフォトンにて開発中のプロトタイプEUV光源にて達成された。現在,市場における光源出力は10W程度だが,これを超えることに成功した。また,ドライバCO2レーザにおいては,既に20kW以上の出力を実験で達成し,これでEUV露光での本格的な半導体の量産に必要とされる,EUV光源出力250Wを実現するための必須技術が実現した。

ギガフォトンは,高効率・高出力で安定したEUV光源を低コストで実現するため,ダブルパルス・レーザープロデューストプラズマ(LPP)方式,超電導磁石を使ったデブリ除去技術等,独自技術によるEUV光源開発に取り組んでいる。EUV光源では,すず(Sn)ターゲット(ドロップレット)に対し,ドライバレーザから高エネルギーのパルスレーザ光を照射する事でSnをプラズマ化しEUV発光させる。

EUV光源を実現するためには,EUV発光時の効率の向上,EUV発光時にドロップレットから発生するSnデブリの効率的な除去等が重要な課題となる。ダブルパルスLPP方式は,ドライバレーザとして,短波長の固体レーザによるプリパルスとCO2レーザによるメインパルスを組み合わせる方式。これらレーザの最適な組み合わせにより,高いEUV発光効率を実現。高効率で大出力のEUV光源を可能とする。

また,デブリ除去技術として,超電導磁石による磁場を用いている。この磁場により,ドロップレットから発生するSnデブリをSnキャッチャーへガイドすることで,効率的に除去する。これにより,コレクターミラーの寿命を最大化し,コストとダウンタイムの抑制を実現する。

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