NTTおよび通信機器メーカら5社,世界初の広域SDN実現を目指す「O3プロジェクト」を開始

日本電気,NTT,NTTコミュニケーションズ,富士通,日立製作所は,総務省の委託研究「ネットワーク仮想化技術の研究開発」に基づき,5社共同による研究開発プロジェクト「Open Innovation over Network Platform」(プロジェクト愛称:O3(オースリー)プロジェクト)を立ち上げた。

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このプロジェクトでは,データセンタ(DC)などの企業独自のネットワークへの導入が始まっている「SDN」を,通信事業者やインターネットなど広域ネットワークインフラに適用するための研究開発を推進する。広域SDNが実現することで,通信事業者は,広域ネットワークにおいて,サービスプロバイダの要求に応じてネットワークを従来の約1/10の時間で臨機応変に設計・構築・変更できるようになり,サービスプロバイダにとっては,サービスの開設・撤収時間を大幅に短縮することが可能となる。

具体的に開発するのは以下。

  • ネットワーク管理制御プラットフォーム技術:様々なサービス要件を満たしたネットワークを構築して迅速なサービス提供を可能とする,SDNプラットフォームソフトウェアの開発。光・無線・パケット通信など,多種多様なネットワークについて,それぞれを管理するための情報(ネットワーク構成情報や通信状態情報など)を共通的に扱えるようにすることで,広域ネットワークを統合化し,管理制御を柔軟かつ迅速化するプラットフォームを開発する。
  • ネットワーク設計・構築・運用管理ソフトウェア技術:1.で実現するプラットフォーム上で動作する,ネットワーク設計や構築,運用管理を行なうソフトウェアの開発。広域ネットワークにSDNを適用する際に必要となる,設計ソフトウェア(設計したネットワークの検証)や,構築ソフトウェア(既存ネットワークとの相互接続,既存ネットワークからSDNへの移行),運用管理ソフトウェア(レイヤ間における障害特定・対処の迅速化,サービス品質の制御)を開発する。
  • 仮想化対応ネットワーク装置技術:上記1.2.により制御可能なSDNネットワーク装置を開発する。すべてのレイヤを通じて低コストかつ高性能な資源を活用し,サービス構築コストの最適化を可能とする,既存の光通信システム・無線通信システム・パケットトランスポートシステムのネットワーク装置を制御するインタフェースやドライバ機能,および構成や機能を自由に変更できるソフトウェア通信機器を開発する。

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