産総研、 医療用リニアックの高エネルギー光子線標準の開発に成功

産業技術総合研究所計測標準研究部門量子放射科研究員の清水森人氏、研究科長の齋藤則生氏は、がんの放射線治療に用いられている医療用リニアック(電圧換算で数百万Vから千数百万Vで加速された電子を用いて高エネルギー光子線や高エネルギー電子線を発生させ、患部に照射することでがんなどを治療する放射線治療装置)からの高エネルギー光子線に対する水吸収線量標準を開発した。

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この水吸収線量標準は、実際にがん治療に用いられている医療用リニアックから放出される高エネルギー光子線をグラファイトカロリーメーターによって計測し、モンテカルロシミュレーションによって水吸収線量へ変換する手法によって開発した。

これまで医療用リニアックの高エネルギー光子線に対する水吸収線量を直接評価する標準が国内になく、線量評価の不確かさを小さくすることに限界があった。開発した標準によって、がんに照射する高エネルギー光子線の水吸収線量をより正確に評価することが可能となり、高エネルギー光子線を用いた放射線治療の信頼性・安全性への貢献が期待される。

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