JAMSTEC、自転速度の変動が地球磁場に与える影響を解明

海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球内部ダイナミクス領域研究員の宮腰剛広氏とチームリーダーの浜野洋三氏は、地球磁場に見られる数万年~十万年周期での変動と気候変動との関係について、氷期―間氷期サイクルによる大陸氷床の増減が引き起こす地球の自転速度の変動に着目し、世界で初めて自転速度の変動を考慮した地球ダイナモ(地球コアに存在する液体金属の対流による地球磁場生成過程)シミュレーションを行なった。

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その結果、氷期―間氷期サイクルによって生じる自転速度の変動が原因となって地球外核内の液体金属の対流運動が変化し、地球磁場の変動が引き起こされることを世界で初めて定量的に明らかにした。そして、自転速度の変動(約2%)に対して遙かに大きな割合で地球磁場の強度に変動(約20~30%)が生じ、自転速度の変動と地球磁場の変動の間には時間のずれが存在することが明らかになった。さらに、自転速度の変動によりコアからマントルへ輸送される熱量にも約10%の大きな変動が生じることも分かった。

この成果は、地球磁場変動のメカニズム解明に役立つばかりでなく、これまで明らかになっていなかった気候変動と地球磁場変動の関係を解明するための有力な手掛かりになると期待される。

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