浜松ホトニクス,アルツハイマーなど脳の診断に特化した次世代PET診断システムを確立

NEDOの「基礎研究から臨床研究への橋渡し促進技術開発」で,浜松ホトニクス及び浜松医科大学の研究開発チームは,アルツハイマー病等の患者の脳の病態を解明し,的確な治療に繋げる,次世代PET診断システムの確立に成功した。

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具体的には,脳内の認知機能等の変化を反映するイメージング薬剤と,患者の頭部の動きを補正することで高精度計測を可能とする頭部用診断装置を世界で初めて開発。これらを組み合わせることにより,脳の状態を詳細に把握するだけでなく,適切な治療薬の選択が可能となり,今後の治療や薬剤開発に貢献することが期待される。

イメージング薬剤は,ニコチン受容体のサブタイプの中で記憶や学習などの認知機能に主に関与するα7及びα4β2ニコチン受容体の新規薬剤を新たに開発した。これらは認知症の新しい診断や治療のための効果指標として期待されていたが,これまで実現していなかった。

頭部用PET装置は,新しいレーザ加工技術を用いた高精細シンチレータと高安定な光半導体素子MPPC(素子中に微小なアバランシェ・フォトダイオード(APD)ピクセルが多数集積した構造を持つ)を用いて小型・軽量を実現した,高解像力で高感度な検出器ヘッドを開発した。これにより従来の頭部用PET検出器ヘッドに比べ,約4分の1と小型化し,質量も200kgと約5分の1軽量化に成功した。

小型・軽量な検出器ヘッドが実現したことで,被験者の頭部を固定しないで,頭部の動きを検知できるので,認知症だけでなく,安静が保てない自閉症や多動性疾患などの広範な精神性疾患の患者や,脳梗塞後のリハビリ効果の評価,脳虚血性手術後の頭位挙上などの体位変換を伴うリスクの評価,めまい発作等の大脳生理学的解明など,これまでの装置ではなしえなかった領域に光を当てる画像システムとして,研究と臨床の場で活用することが可能となった。

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