島津製作所,マトリックス支援レーザ脱離イオン化飛行時間型質量分析計を開発

島津製作所は,MALDIタンデムTOFタイプとして世界最高水準の質量分析計「MALDI-7090」の販売を開始する。価格は1億円。この製品は,MALDI型質量分析計として世界で最も広く使われているタンデム飛行時間型質量分析計。従来シリーズに対し,大幅な設計変更と新技術の導入により,これまでにない分析スピードと世界最高水準のMS/MS分解能を達成した。

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この装置は,従来機種から高エネルギーCID機能を引き継いでおり,ペプチド・タンパク質,脂質などの生体高分子から,各種合成高分子化合物などの構造解析に対応する。さらにはマルチユーザーアクセスや最大10枚のMALDIプレートがセットできるマルチプレートに対応した新設計プラットフォーム(ソフトウエア)により,簡便でハイスループットな分析を実現するなど,従来のMALDI型質量分析計とは大きく異なる性能・機能を持った。

光源には,従来シリーズに搭載していたガスレーザ(最大繰返し周波数:50 Hz)に替り,MALDI型装置として世界最高速となる最大繰返し周波数2 kHzの固体レーザ(波長:355 nm,繰返し周波数:1~2,000 Hz可変)を採用した。このレーザの採用により,最大2 kHzの超高速MS,MS/MSが可能となり,同社比でおよそ十数倍となる測定時間の大幅な短縮を実現した。

また,レーザの照射径を10~100 µm以上まで自由に変更できるので,通常のMALDIプレートを用いたサンプルスポットの測定から高解像度のMALDI MSイメージング,マルチプレートによる自動分析まで,幅広く超高速な分析や解析が可能となった。

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