京大と阪大、神経疾患関連タンパク質のリン酸化による生体膜相互作用とオートファジーの制御メカニズムを解明

京都大学農学研究科教授の阪井康能氏、助教の奥公秀氏、大阪大学蛋白質研究所ポストドクターの田村直輝氏らの研究グループは、メタノール資化性酵母Pichia pastorisより神経疾患に関連するPROPPINタンパク質の一つ、Atg18タンパク質を精製してその性質を調べ、Atg18がリン酸化型と脱リン酸化型の二種類を持ち、そのリン酸化調節がオルガネラの動態制御など、重要な生理機能を担っていることを明らかにした。

130820kyoto2

Atg18は、酵母から高等生物にまで広く保存され、Atg18のリン酸化はヒトでも起きていることが予測されている。またAtg18は細胞内でさまざまな膜に結合したり離れたりしながら、オートファジー(細胞内の不要成分を自ら分解する働き)に関わっている。

今回の研究は、どのようにしてAtg18のダイナミクスが調節されているかについて、生体膜側でなく、タンパク質のリン酸化が生体膜中に含まれるシグナルリン脂質PI(3, 5)P2への親和性を調節することにより行なっていることを初めて示した。

詳しくはこちら