東大、暑さに負けない「植物の受精」の仕組みを解明

東京大学大学院理学系研究科教授の福田裕穂氏らの研究グループは、モデル植物シロイヌナズナを用いて、花粉とめしべのコミュニケーションを担い、一過的に気温上昇した際でも正常な受精を維持するために機能するCLE45ペプチドおよび受容体を明らかにした。

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シロイヌナズナを高温にさらすと、花粉の高温耐性を強化するCLE45ペプチドが、新たにめしべ内部の花粉管(受粉後、花粉から胚珠に向けて伸びる管)の通り道にそって生産されるようになった。このペプチドは花粉管に受容され、このシグナルにより高温においても花粉の活性が低下することなく受精が成立した。これは高温環境に植物が適応するための新しい仕組みの発見である。

ほとんどの作物やその他の有用植物は、その作物が栽培できる限界耕作地よりはるか良好な条件で栽培されている。温度ストレスは、その収穫量に大きな影響をもたらす。今回発見された仕組みを利用することで、高温ストレス耐性植物作出のための、新規な技術開発が期待される。

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