理研と岡山大、金属イオンの濃度に応答して色調が変わるケミカルセンサを開発

理化学研究所と岡山大学は、金属イオンを認識して発色し、その発色濃度に応じて色調が変化するケミカルセンサを開発した。

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共同研究グループは2010年に、水素イオンの化学刺激により2つのスピロ環が開くことで分子構造が変化し、色調が変わる有機蛍光色素「アミノベンゾピラノキサンテン系 (ABPX)色素」を開発した。今回、この発色原理を応用した金属イオン濃度に反応するケミカルセンサを開発するため、2価の銅イオン(Cu2+)と結合親和性の高いヒドラジドと呼ばれる構造をABPXへ導入した「ABPX-ヒドラジド(ABPX-hy)」を合成した。

ABPX-hyの溶液は無色だがCu2+を加えると発色し、さらに濃度が高くなるにつれ、色は赤桃色から紫色へと変化していくことが目視で確認できた。また、目視分析に加え吸光光度計を併用することで、Cu2+を簡便かつ精確に定量分析できることも分かった。

今後、さまざまなイオンや分子と結合するようにスピロ環部位の構造を変えることで、迅速な定量手段が求められる環境計測や診断分野などの新たな分析ツールとなることが期待できる。

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