慶大、ヒトの心臓線維芽細胞から心筋様細胞を直接作製することに成功

科学技術振興機構(JST)課題達成型基礎研究の一環として、慶應義塾大学医学部特任講師の家田真樹氏、研究技術員の和田りえ氏らは、ヒトの心臓線維芽細胞からiPS細胞を経ずに直接心筋様細胞を作製する方法を開発した。

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研究グループは、3つのマウス心筋誘導遺伝子に新たに遺伝子を1つずつ加えてヒト心筋誘導因子のスクリーニングを行ない、最終的に5つの遺伝子の同時導入によりヒト心臓線維芽細胞からiPS細胞を経ずに直接心筋様細胞を作製できることを明らかにした。

この方法は(1)心臓線維芽細胞から未分化な細胞を介さず心筋様細胞のみを作製するためがん化のリスクが少ない(2)生体内で直接心筋様細胞を作製するため細胞移植の必要がなくなる(3)心筋梗塞などの心臓障害後の線維化組織を心筋組織に戻すことができるなど、これまでの心臓再生の課題を解決できる可能性があり、心臓病に対する新しい再生医療につながることが期待される。

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