古河電工,蛍光シリカナノ粒子を用いた高感度イムノクロマト検査キットを開発

古河電工は,蛍光シリカナノ粒子「Quartz Dot®」の開発を行なってきたが,これを体外検査薬である蛍光イムノクロマト技術に応用し,眼感染症の原因微生物の一つであるアカントアメーバを高感度で検出できる世界初の簡易迅速検査法を開発した。この検査法は迅速(判定30分以内)で,且つ従来の培養検査と同等以上の性能を示す。

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眼感染症分野では,コンタクトレンズの普及に伴い増加した難治性角膜感染症の1つであるアカントアメーバ角膜炎の早期診断が重要な課題となっている。現在,角膜擦過物の顕微鏡検査,培養法や遺伝子増幅法(PCR)検査などが用いられているものの,高度のスキルや特殊な機器を必要としない,簡易迅速検査法の開発が臨床現場より望まれていた。さらに,従来の金コロイド粒子などによるイムノクロマト技術では感度不足であるという問題もあった。

開発品は「Quartz Dot®」とテストストリップ,抽出液から構成される一般的なイムノクロマト検査キットと同様のデバイス形態。検査方法は,抽出液で処理した検体と「Quartz Dot®」とを混合させて,その混合液をテストストリップの端部に滴下し,テストストリップの蛍光発光を蛍光スコープで観察することで検出の有無を判断する。

同社は携帯型簡易蛍光観察器(蛍光スコープ)と定量型蛍光測定器も合わせて開発し,検査の簡素化,定量化も実現した。これにより,従来のイムノクロマト法よりも100倍も高感度な蛍光イムノクロマト検査キットの開発と,その臨床試験で有効性を確認した。

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