北大、コカインによって活性化される新たな脳部位を発見

北海道大学大学院薬学研究院准教授の金田勝幸氏の研究グループは,コカインを慢性投与したラットの背外側被蓋核の神経細胞で,興奮性シナプス伝達が増強していること,つまり,活動が活発になっていることを世界に先駆けて発見した。また,この変化にはグルタミン酸受容体の 1 つである NMDA 受容体の刺激と一酸化窒素の生成が関与しており,さらに,内側前頭前野という脳部位の活動も必要であることが分かった。

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麻薬や覚せい剤による薬物依存は脳の可塑的変化によって引き起こされる。その鍵となる脳内報酬系での可塑的変化については多くの研究報告がなされている。しかし,報酬系の活動を制御する脳部位の背外側被蓋核でも薬物摂取によって変化が起こるのかどうかはわかっていなかった。

本研究の成果は,背外側被蓋核が薬物依存に対する新たな治療ターゲットになる可能性を示している。

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