東大、小型イオン推進システムのエンジニアリングモデル開発に成功

東京大学先端科学技術研究センター准教授の小泉宏之氏と次世代宇宙システム技術研究組合 が共同で小型イオン推進システム(MIPS:Miniature Ion Propulsion System)の開発を進めていたが、MIPSエンジニアリングモデルの開発が成功裏に終了し、フライトモデル開発のめどが立った。

近年、高性能宇宙用推進機であるイオン推進システム(イオンエンジン)は、 宇宙探査および商用衛星における実用化が急速に進んでいる。しかし、これまで100 kg以下の小型衛星に対する実用化は、 電力およびサイズの制限により実施されていなかった。

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本開発では低電力小型イオンスラスタを使用し、 かつ各コンポーネントの小型化、軽量化、および低消費電力化を進めることで、 50 kg級衛星への搭載が可能な小型イオン推進システムを完成させた。本成果により、 小型衛星へのイオン推進システム搭載が実用化に一歩近づく。

小型イオン推進システムが実用化されれば、小型人工衛星の利用は通信や放送、測位、地球観測、宇宙科学などの分野に限らず、 教育や農林水産業、輸送業、エンターテイメントなど、幅広い分野で利用されるようになると期待される。

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