岡山大、高血圧治療薬2種が心臓収縮を抑制しないことを確認

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(システム生理学分野)教授の成瀬恵治氏との入部玄太郎氏の研究グループは、高血圧治療に広く使われているカルシウム拮抗薬のアゼルニジピンとアムロジピンが心臓収縮をほとんど抑制しないことを世界で初めて単一細胞レベルで確認した。

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研究グループは、マウスの心臓から取り出した一個の心筋細胞を伸展し、その収縮力を測定する特殊な技術を用いて、カルシウム拮抗薬のアゼルニジピンおよびアムロジピンには心臓抑制の副作用がないことを世界で初めて細胞レベルで確認した。

特にアゼルニジピンは、通常使用量の10 倍もの量を投与しても収縮力は抑制されず、心臓への影響が非常に少ない薬剤であることがわかった。また、両薬剤とも他の高血圧治療薬と併用しても心臓への影響は増強しないことも確認された。

この研究では心筋細胞を一つだけ取り出して行なうため、他の組織の分泌物や全身からの反射の影響を除外し、薬剤の影響のみを抽出し明らかにすることができる。

この成果は、心臓に問題を抱えたハイリスクの高血圧患者にも安全に使用できる高血圧治療薬の提供に結びつく可能性があるもの。

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