京大ほか、自閉症スペクトラム障害をもつ人々は、自分に似た物語を検索しやすいと発表

京都大学白眉センター特定准教授の米田英嗣氏、福井大学特命准教授の小坂浩隆氏、同特命准教授の齋藤大輔氏、同学術研究員の猪原敬介氏、同助教の石飛信氏、同教授の佐藤真氏、同教授の岡沢秀彦氏、金沢大学特任教授の棟居俊夫氏らのグループの共同研究において、青年期高機能自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder; ASD)をもつ人々に、日常的な出来事が書かれてある物語文を読ませ、その理解と記憶を確認した。

文の読み時間と自閉症尺度との相関分析の結果、実験参加者のASD傾向が高いほど、定型発達(Typically Developing; TD)の人物が書かれた物語の読みに時間がかかることがわかった。文の再認の結果、ASD群は、自分と類似したASDの人物が書かれた物語の検索に優れることが明らかになった。

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本研究において、世界で初めてASDをもつ人のための物語を考案したことにより、ASDの特性メカニズム解明に大きく前進した。臨床や教育場面への応用として、ASD傾向の強い人ほど、ASDの援助者に相応しいかもしれないという知見を提供できる。

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