理研、植物のDNAをデザインするウェブアプリ「PromoterCAD」を開発

理化学研究所は、既存のマイクロアレイなどの生命科学データベースを活用して、植物の遺伝子発現を制御するDNA配列(プロモーター)を人工的に設計するウェブアプリ「PromoterCAD(プロモーターキャド)」を開発した。

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遺伝情報が含まれるDNA配列(遺伝子)から遺伝子産物とよばれるRNAやタンパク質が合成され、機能することを遺伝子発現という。遺伝子産物の合成は、プロモーターと呼ばれる特殊なDNA配列と、転写因子と呼ばれるタンパク質群の相互作用によって制御されている。なかでもプロモーターの役割は重要で、生物の組織や成長段階の時期などの条件によって、遺伝子発現のタイミングを調節している。

研究グループは、モデル植物であるシロイヌナズナにおいて遺伝子発現する組織やタイミングの調節を可能にする人工プロモーターの設計ができるアプリとして「PromoterCAD」を開発。PromoterCADは、プログラミングなどの専門知識がなくても容易に人工プロモーターを設計できるようなユーザーインターフェースを整備し、誰でも簡単に扱うことができる。また、利用者が自由にデータを追加したり、アプリケーションをカスタマイズすることもできる。

今後、データベースをさらに整備し、植物だけでなく動物にもDNA設計の対象を拡大することができれば、PromoterCADをより汎用性の高い人工プロモーター設計アプリに発展させることができる。これにより、環境面だけでなく医療面でも合成生物学の応用が可能になると期待できる。

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