エネゲート、ローム、関西電力、 電力変換損失を3割低減する高効率SiC無停電電源装置の試作装置を開発

エネゲート、ローム、関西電力の3社は、SiCはSiに比べて電力損失が少ない点に着目しSiC製パワー半導体素子を用いた無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)の開発に取り組んできたが、フルSiCパワーモジュールを用いたUPSの試作(定格容量30kVA)に成功し、3社間で製品化に向けた開発計画を推進することに合意した。

UPSは、主に通信用機器、生産設備の制御装置などに用いられ、関西電力の発・変電所等にも設置しているが、停電時以外についても、装置内を流れる電流と電圧の交流・直流の変換を行なっており、この際の電力損失の低減が課題となっていたことから、エネゲートと関西電力がフルSiCパワーモジュールを適用することについて検討していた。

今回、エネゲートと関西電力は、UPSにローム製フルSiCパワーモジュールを適用したUPSを試作し、基本的な動作を検証した結果、従来のUPSに比べ、電力変換損失を約3割低減できることを確認した。この結果は、同等容量のUPSでは、電力変換効率が国内最高水準を達成したもの。

仮に、国内のUPSが全てフルSiCパワーモジュールを適用したUPSに置き換われば、10万kWを超える電力損失が低減される。今後、エネゲートと関西電力はこの試作装置をベースに、フィールド試験による性能検証を行ない、エネゲートが早期の製品化を目指す。

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