九大、気孔開口を促進し、水不足条件では水分消費を抑えるタンパク質を発見

気孔は開口によって光合成による CO2固定を可能にする一方、水の消費を調節する陸上植物に必須の器官である。

九州大学大学院理学研究院教授の島崎研一郎氏らの研究グループは、気孔開口に必要なK+(カリウムイオン)取り込みの通路になるK+チャネルの働きに必要なタンパク質(AKS)を発見し、このタンパク質がなければ K+チャネルの数が減少し気孔開口が阻害される事を示した。

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一方、植物が水不足に陥ると、植物ホルモンのアブシジン酸の作用により、このタンパク質の働きが抑えられ水の消費を抑えるのに役立つことが分かった。

植物は、この転写因子(孔辺細胞に特異的に存在するタンパク質)の働きによって、通常の条件では気孔の開口を促進し、光合成を促進する働きを持っている。しかし、水不足に陥るとアブシジン酸によりこの働きを停止し、気孔を閉じさせ、水の消費を抑えるのに役立つ。つまり、植物が水に恵まれている条件では光合成を増大し植物の成長に寄与し、乾燥条件では植物を枯死から守る働きがある。

 

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