早大、減数分裂における20年来の大きな謎を解明

早稲田大学理工学術院先進理工学部准教授の佐藤政充氏は、科学技術振興機構(JST)、東京大学、英国Cancer Research UK、かずさDNA研究所との共同研究で、精子・卵子などの配偶子を形成するための減数分裂において、中心体から遠く離れところにある動原体(染色体の中央部分)が、なぜ紡錘体に捕まえられて正しい配偶子を形成できるのかという、減数分裂における20年来の大きな謎を解明した。

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動原体が中心体から遠く離れたところにあるということは、紡錘体が捕まえられずに染色体が正しく分配されないリスクが高いということであり、染色体の分配異常はダウン症候群や流産の原因となることが知られている。

今回、佐藤氏らは微小管と呼ばれる繊維状の構造物が中心体から特別に長く伸び、あたかもカメレオンの舌が獲物を捕らえて飲み込むように、微小管が動原体を捕まえて中心体までたぐり寄せることを発見した。さらに通常の分裂には見られない減数分裂に特有の現象として、微小管に結合するタンパク質「Alp7」が動原体に存在し、微小管が動原体に向かって伸びてきたときに両者をくっつけやすくしていることが明らかにした。

本研究により、Alp7などの因子を人工遺伝子として細胞に導入することで、減数分裂に起因するダウン症候群や流産などの予防治療につながる可能性がある。

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