岡山大、皮膚色素細胞の脳内移植でパーキンソン病モデルの症状改善

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科神経情報学分野准教授の浅沼幹人氏,助教の宮﨑育子氏らの研究グループは,チロシナーゼというメラニン色素を生成する酵素をもつ皮膚色素細胞(メラノサイト)をパーキンソン病モデル動物の脳内に細胞移植することで,変性しているドパミン神経細胞に代わってドパミンが産生,放出され,パーキンソン病モデルの異常運動症状が長期にわたって安定して改善できることを初めて見出した。

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アミノ酸チロシンからのL-ドパ生成は,脳内ドパミン神経ではチロシン水酸化酵素,皮膚色素細胞(メラノサイト)ではメラニン色素生成にはたらく酵素チロシナーゼにより行なわれていることに注目。そこで,変性したドパミン神経の代わりにチロシナーゼをもつマウス皮膚メラノサイトを,パーキンソン病モデルマウスのドパミン放出が低下している脳線条体内に細胞移植したところ,持続的なドパミンの産生と異常運動症状の改善が移植3 ヶ月後までみられ,移植した細胞の生着も確認できた。

胎児脳や幹細胞の移植治療が抱える問題を回避できる自家移植による治療につながると期待される成果。

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