岩手県大、聴覚障害者を支援するスマートフォン用アプリケーションベンチャー企業を設立

平成23年度より科学技術振興機構(JST)が岩手県立大学に委託していた研究開発課題「Android端末を用いた事前登録型生活音識別システム」において、聴覚障害者支援するスマートフォン用のAndroidアプリケーションを開発した。また、この成果をもとに平成25年5月23日に、メンバーらが出資して「株式会社クリアフィックス」が設立された。

聴覚障害者を支援する製品(屋内信号装置)は玄関のチャイム、FAX着信音、火災警報器などの生活音を光や音に変えて、聴覚障害者に知らせる装置。従来の装置は価格が高く、利用者に知らせる生活音の数にも限りがあった。

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今回、独自の音響処理技術によりうるさい場所でも、知りたい音をスマートフォンでリアルタイムに識別できるようにした。また、知らせて欲しい生活音を追加登録することで、より多くの音を識別できる。さらに、一般家庭での雑音環境にも強く、新たな専用機器を必要としない。Wi-Fiによりスマートフォン端末間で情報共有することも可能で、見守りシステムとしての活用も期待できる。

今後、この技術をスマートフォン用のアプリケーションとして一部の機能を制限した無償版や全ての機能を持った有償版を、平成25年12月頃までに提供し聴覚障害支援製品の普及を図る。また、スマートフォンおよびタブレットの貸し出しや訪問サービスも展開する予定。5年以内に基本技術である音響情報処理技術、無線通信技術を応用した文字-音響情報変換アプリケーション「音響コード」や店舗向けレジスターアプリケーション「ポケレジ」などにも展開して、1億円の売り上げを目指す。

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