国立天文台など、低質量の太陽系外惑星GJ3470bの大気を初めて観測

国立天文台、東京大学の研究者を中心とする研究チームは、国立天文台・岡山天体物理観測所の2台の望遠鏡を使用して、かに座にあるGJ3470bと呼ばれるスーパーアース(巨大地球型太陽系外惑星)の大気を世界で初めて観測した。

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この惑星は質量が地球の約14倍しかなく、これまでに大気が調査された太陽系外惑星としては二番目に軽い天体。観測データの解析結果から、この惑星には厚い雲が無く、晴れている可能性が高いことが明らかとなった。

惑星が晴れていれば、今後すばる望遠鏡などの大口径の望遠鏡を用いた詳細観測により、惑星大気の具体的な成分を検出できる可能性がある。この惑星は、主星の近くを約3.3日という非常に短い周期で公転しているが、こういった惑星がどのように形成したのかはまだよく分かっていない。

もし惑星の大気中に水蒸気などの低温度で氷になる物質が検出されれば、もともとこの惑星は氷が存在する主星から遠く離れた軌道(数天文単位)で形成され、その後主星の近くへ移動してきたと考えられる。

一方で、もしそのような物質が大気中に見つからない場合は、この惑星は最初から現在の位置(主星の近く)で形成された可能性が高いと考えられる。このように、GJ3470bの大気の詳細観測を通して、スーパーアースの形成起源の謎に迫ることができると期待される。

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