筑波大ら,トランジスタの雑音を簡便に計測する装置を開発

筑波大学数理物質系准教授の大毛利健治氏らのグループは,ディー・クルー・テクノロジー,東京工業大学と共に,トランジスタ(MOSFET)の雑音をより広い周波数帯域にわたって簡便に計測する方法を開発した。これによりMOSFET雑音特製のより深い理解と共に,開発段階での迅速な特性のモデリングが可能となり,より信頼性の高い電子デバイスの実現が期待できる。

MOSFETに代表される電子デバイスは,微細化によって性能を向上させてきたが,それに伴いゆらぎ(雑音)の発生という問題があった。雑音は回路中の電流量を変化させるため,誤動作の原因となる。

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雑音は,その要因が特徴的な緩和時間を持つため,周波数依存性で計測される。渋滞の測定機器では,数百kHz以下の低周波数帯域と,16Hz付近以上の高周波帯域での雑音計測は可能であったが,これらの中間の周波数帯域については対応する測定機器がなかった。

しかしながら,その帯域には,集積回路の設計に重要な幾つかの減少が現れることが知らている。今回の研究では,独自に開発した雑音プローブに,雑音を増幅するための専用ICを搭載した。被測定素子と増幅器の距離を短くすることにより測定帯域を拡張し,従来,計測が困難であった100kHz~800MHzの周波数帯域の雑音特製が計測できるようになった。

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