日立,従来比約2/3サイズの鉄道車両用3.3kV/1,200Aパワーモジュールを開発

日立製作所は,従来の約3分の2のサイズに小型化した1,500V架線用の鉄道車両用3.3kV/1,200Aパワーモジュールの開発に成功した。現在主流のSiを用い,主として架線から供給される直流電圧をモータ駆用の交流電圧に変換するインバータに搭載されるもの。パワーモジュールの小型化,および小型化により発生する温度上昇を防ぎ,鉄道車両用インバータへの実装を可能にする。

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パワーモジュールの小型化のためには,チップの電流密度を高める必要があるが,今回,IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)チップをトレンチゲート構造(半導体表面に溝を形成し,その内部にゲートを設けた構造)とすることによって電流密度を向上させ,セルサイズを約3分の2に縮小した。また,構造の変更により,従来に比べ損失を20%低減できることを確認した。

またチップへの熱集中を防ぐために高熱伝導絶縁基板を用いた。さらにシミュレーションにより最適なチップ配置を決定,接合材にはスズ銀系半田を,端子の接続部には超音波による金属接合方式を採用することによって,開発品の熱抵抗を20%低減することに成功した。

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