北大、渓流魚は洪水時に支流に逃げ込むことを実証

北海道大学創成研究機構特任助教の小泉逸郎氏らは、大型ダムの試験放水を利用して渓流魚の支流避難仮説を初めて実験的に示した。 ダムや堰堤によって本流と支流(枝沢)といった河川の連結性が断たれると,攪乱時に渓流魚は避難場となる支流に逃げられなくなり,個体数の減少など個体群に負の影響を与えることが示唆された。

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ダムの放水前,放水中,放水後に 4 本の支流で魚類の個体数を調べたところ,(1)オショロコマやヤマメといったサケ科魚類が本流増水中にのみ支流に入り込んできたこと,(2)魚類によって反応が異なること,(3)魚類が逃げ込む支流と逃げ込まない支流があること,が明らかとなった。

本研究成果は,釣り人により語り継がれてきた逸話を科学的に示したと同時に,ダムや堰堤により河川の繋がりが断たれると攪乱時の渓流魚の逃げ場がなくなり,個体数の減少など個体群に負の影響を与えることを示唆している。

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