横市大、ベーチェット病発症に細菌が関与していることを遺伝学的に証明

横浜市立大学医学群病態免疫制御内科学教室教授の石ヶ坪良明氏らの研究グループは、最新の遺伝学的解析法によりベーチェット病の発症に細菌成分が関与していることを発見した。

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ベーチェット病はぶどう膜炎、皮疹、口腔・陰部潰瘍など全身に発作的な炎症を繰り返す難治性疾患で、厚生労働省の特定疾患に最初に認定され、平成24年3月末時点で、特定疾患医療受給者数は18,451人いる。

日本人・トルコ人計約5,000例の患者・健常人の検体を解析したところ、ベーチェット病においては、健常人と比較して、グラム陰性菌やグラム陽性菌に対する反応が異なる可能性があり、また、家族性地中海熱の原因遺伝子MEFV M694V(694番目のパイリンという蛋白質のメチオニンがバリンに置換)を持つひとではベーチェット病になりやすいことが証明された。

細菌成分がベーチェット病発症に関わっている証拠が得られたことから、今後細菌自体に対する抗菌加療や、細菌に対する反応を調節する治療など、ベーチェット病の新しい治療法の開発が期待される。以前からいわれているように、口腔内など細菌が多い部分を清潔に保つことが重要であることが、本研究の結果からもいえる。

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