長崎大ら、赤ちゃんの脳はおむつ素材の違いを区別し“気持ちいい”触感を実感することを実証

長崎大学医歯薬学総合研究科教授の篠原一之氏は、ユニ・チャームと共同で、乳幼児を対象に脳の血流量変化をNIRS(近赤外線分光法)によって測定し、赤ちゃんの触感について研究を行なった。この結果、「赤ちゃんは紙おむつ素材の触感の違いを区別していて、素材の気持ち良さを実感している」ことを実証した。

研究グループは、素材風合いの異なる2種類(P及びR)の紙おむつの素材サンプルを選び、それぞれ30秒間、これを2回繰り返すという刺激を乳幼児の左腰部に呈示。触刺激を乳幼児へ呈示した時の前頭前野(APFC:眼窩前頭皮質(OFC)と前頭極皮質(FPC))の脳の活動を調べた。脳の活動性は、NIRSで酸化ヘモグロビン量を測定することによって計測した。

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その結果、サンプルPはサンプルRに比較して、6倍の脳血流量の増加が見られ、有意に高いAPFCの活動性が見られた。これは、乳児が、紙おむつ素材の触感の違いを、おむつを装着する腰部において、感じ取っていることを示唆している。さらに、APFCは報酬系(快の情動や認識を担う神経系)の役割を担っていることが知られていることから、乳児はサンプルRに比べて、サンプルPの触感を気持ち良いと感じていると考えられる。

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