キーストーンテクノロジー,新横浜に大型野菜工場のショールームをオープン

植物工場を開発するキ-ストーンテクノロジーと販売会社のアグリ王は,新横浜にLEDを光源に用いた植物工場の大型ショールームを設置,4月18日に報道陣および一般に公開した。

1

約78㎡(約22坪)のクリーンルームに,キーストーンテクノロジーが開発した5段式LED植物栽培ユニットを12台設置,前面がガラス張りとなっているので,実際に育成している野菜や作業の様子を間近に見ることができる。生産能力はレタスの一種であるグリーンリーフを月に約15,000株。これは一般の畑に換算すると約1,000坪に相当するとしている(実際にはルッコラやクレソンなど10種程度を栽培)。

3

光源にはRGBのLEDを使用。特に赤色は,植物の光受容体であるフィトクロムの吸収波長(660nm)に合わせた,4元系(AlGaInP結晶)パワーLEDを独自に開発した。 冷却は水冷式を採用しており,専用コントローラで作物に合わせた発光波長を制御,管理する。キーストーンテクノロジーの岡崎聖一社長は開発したLED光源ユニットについて,「高出力LEDの選定を行ない,LED光源としての使用を最小限に抑えた」という。

4

従来のLED植物工場で課題であった価格面については「蛍光灯タイプとも競争できるレベルにある」(担当者)としながらも,工場として使用した場合,コストを償却するためには生産した野菜を露地物よりも5割程度高い価格で販売する必要があり,実際に納入した先は食味や栄養価などが優れた「高付加価値商品」として販売しているという。

2
キーストンテクノロジー 岡崎聖一社長

一方,昨年には大手外食のコロワイドが,同社製の植物栽培ユニットを採用した,完全閉鎖型としては国内最大となる植物工場を導入するなど,植物工場の機運は確実に高まってきている。「高齢者が支える現在の日本の農業を改革したい」という岡崎聖一社長の言葉は市場に響くのか,またその光源としてLEDは主流となれるのか,今後が注目される。