富士フイルム,独自の新方式直接変換型FPDを搭載した乳がん検査用デジタルX線撮影装置を発売

富士フイルムは,独自開発の新方式直接変換型FPDを搭載することで,低線量で高画質な画像の撮影を実現し,かつ複数の断層像で乳房内部の構造を観察できるトモシンセシス機能に対応した「AMULET Innovality(アミュレット イノバリティ)」を5月15日より発売する。価格は1億2,000万円。

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世界で初めて「HCP(Hexagonal Close Pattern)構造」のTFTパネルを採用した直接変換型FPDを搭載。直接変換型FPDではX線を電荷に変換し,電荷をTFTパネルの電極で収集することでX線情報を検出する。

通常のTFTパネルは,電荷を収集する電極の形状が正方形であるため,電極の角の部分で電界強度が乱れ,電荷の収集効率が下がる。この電界強度の乱れは,一般的に角が鋭角になるほど大きくなるが,同社が開発したHCP構造のTFTパネルは電極の形状が六角形で,電界強度の乱れが緩和されることで電荷収集効率が向上。X線検出感度が従来のパネルと比べて約2割向上した。これにより,同社従来シリーズよりも低線量で,高画質の画像を撮影できる。出力画素サイズは,従来シリーズと同じ50μm。

また,異なる角度から乳房の画像を複数撮影し,その画像を再構成して乳房内の断層像を生成するトモシンセシス機能にも対応。通常の撮影画像では,乳腺と腫瘤が重なって見えることで,発見が難しかった病変の観察がしやすくなる。このトモシンセシス機能には,検診などに適した,撮影時間が短く低線量を優先したSTモードと,精検などに適した画像分解能を優先し関心領域にフォーカスを合わせた観察が可能なHRモードの2つの撮影モードを搭載し,用途に応じて使用できる。

さらに同社が発売する,受診者の痛み低減を目指して開発した新構造圧迫板「FS圧迫板」にも対応した。

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