東大、免疫系を活性化するTLR8受容体の構造を解明

東京大学大学院薬学系研究科教授の清水敏之氏らのグループおよび東京大学医科学研究所教授の三宅健介氏らの研究グループは、ウイルスの侵入を感知して免疫系を活性化するTLR8受容体の詳細な三次元構造を世界で初めて解明した。

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TLR8による、ある受容体に特異的に結合する物質リガンドの認識と、シグナル伝達機構を明らかにするために、フォトンファクトリーのビームラインNE3A、およびSPring-8を利用し、X線結晶解析を行い詳細な三次元構造を明らかにした。

その結果、リガンド結合型と非結合型は、いずれも2量体であり、リガンドと結合することでTLR8のC末端側が近接するように2量体が再構成されることが分かった。これにより細胞内へシグナルが伝えられると考えられる。また詳細なリガンド認識機構も明らかになった。

TLRの中でも、病原体由来のDNAやRNAなどの核酸を認識するTLR7、TLR8の立体構造が解明されたことは、抗ウイルス薬、がん免疫賦活剤などの開発につながると期待される。

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