東大、結晶スポンジ法による極小量化合物のX線結晶構造解析

東京大学大学院工学系研究科教授の藤田氏らは、結晶スポンジと呼ばれる直径約0.5〜1ナノメートル程の穴が無数に空いた結晶材料を使って、その穴の中にわずか数十〜数百ナノグラムの有機化合物を取り込むことで単結晶X線構造解析を行い、サンプルを結晶化することなく分子の結晶構造を得ることに成功した。

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この手法を用いれば、従来の方法では結晶化しない化合物でさえも、多くとも5マイクログラム、最も少ない場合では、なんと80ナノグラムというサンプル量で結晶構造解析を行うことができる。

藤田氏らは、この”結晶スポンジ法”を用いて、医薬品成分、ミカンの皮からごく僅かに得られるフラボノイドと呼ばれる一連の化合物、深海400メートルで採取される海綿から抽出したミヤコシンAという希少な化合物の結晶構造決定に次々と成功した。

この研究成果は、医薬、食品、農薬、香料など有機化合物を扱う多くの分野に革新的な分析手法をもたらすことが期待される。

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