日立,300mSv/hの高線量率環境下でガンマ線強度分布を測定可能なガンマカメラを開発

日立は300mSv/hの高線量率環境下でガンマ線強度分布を測定可能なガンマカメラを開発した。これはNEDOの「災害対応無人化システム研究開発プロジェクト/計測・作業要素技術の開発」によるもので,今後は災害現場における汚染状況調査に向け,東北大学大学院情報科学研究科応用情報科学田所研究室と協力し対応する。

今回,高線量率環境に対応するために,これまでガンマカメラのソフトウェアに実装していた信号処理機能の一部を,FPGAに組み込みハードウェア化した。信号処理性能が向上し,ガンマ線の測定レートを約2倍に高速化できたことで,従来比2倍の高線量率環境への対応が可能になった。さらに,ガンマ線強度分布測定のためにガンマカメラ内部に組み込んでいる2次元ピクセル型ガンマ線検出モジュールの遮蔽体の厚さを増強することで,従来比約10倍の高線量率の測定が可能になった。これらの装置を組み込むことで,従来比約20倍の高線量率環境(300mSv/h)下での測定を可能にした。

また,原子炉建屋内は周囲の床・壁が広く汚染されているため,計測対象物以外の汚染体から放射されるガンマ線が誤差要因となって測定精度が低下する。この誤差を取り除くために,ガンマカメラのコリメータ前方にシャッター機構を設けた。シャッターを開いた場合は,周囲の誤差要因となるガンマ線とカメラの視野部分からのガンマ線を測定。シャッターを閉じた場合は,周囲の誤差要因となるガンマ線のみを測定する。

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